「愛の不時着」では、北朝鮮の様子がが描かれていましたが、特に社宅村のおばさんたちの暮らしぶりに驚かされた方も多いと思います。
このドラマは、韓国とスイスは現地で撮影されましたが、ドラマ撮影と言えども、北朝鮮には行くことができません。
そのため、制作者側は北朝鮮から脱出してきた人達に詳しく話を聞いて、まるで北朝鮮という程のセットを作りそこで撮影したそうです。
ドラマを見て北朝鮮の生活に関心を持たれた方も多いと思います。
今回は、社宅村のマダム達とキャスト、北朝鮮の生活についてもご紹介します!
「愛の不時着」社宅村の上下関係
ジョンヒョクが住んでいるところは軍隊の社宅村です。そのため住人がなんらかの形で軍隊に関わっています。
ヨンエ(キム・ジョンナン)の夫は大佐でこの村のトップです。そのため社宅村の奥様達はヨンエを中心に団結しています。
またヨンエの誕生日会の時は貢ぎ物(笑)がたくさんありましたね。
人民班長のウォルスク(キム・ソンヨン)はこの村を管理する人ですが夫の出世のためにヨンエに尽くしています。社宅村での立場も色々ですが、そんな中で情の深い奥様達との交流もドラマの見どころです。
「愛の不時着」社宅村の人たち紹介
マ・ヨンエ(キム・ジョンナン)
大佐の妻。
狸?のような夫を後ろから操作している、社宅村奥様界のトップ。
とっつきにくいが一度心を許すとなんでも面倒を見ようとしてくれる姉御肌です。
社宅村で一番設備が整った家に住んでいるのが見るだけで分かります(笑)
演じたキム・ジョンナンは「SKYキャッスル」「Born Again」など色んなドラマに出演しています。
最近では「九尾狐伝」でイ・ドンウクと共演しました。品のある役がぴったりですね。
ナ・ウォルスク(キム・ソニョン)
少尉の妻であり、人民班長として宿泊検閲など住民の管理をしています。
噂好きで酒癖が悪かったりと田舎のおばちゃん感一杯です。
演じたキム・ソニョンはこの役で、2020年の第56回百想芸術大賞、テレビ部門の女性助演賞を受賞しました。
「恋のスケッチ~応答せよ1988」「椿の花咲く頃」など、映画やドラマに大活躍です。
ヒョン・ミョンスン(チャン・ソヨン)
盗聴部署所属のマンボク(耳野郎)の妻。
おとなしいが芯の強い女性で、苦しい生活の中でも夫を支えて暮らしている。市場の質屋にもよく顔を出しているらしく、セリが時計を質に入れる時「このお店がお金を沢山くれる」とアドバイスしていました。
演じたチャン・ソヨンは「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」ではソン・イェジンの友人役でしたね。
「真心が届く」や映画「ベテラン」「最も普通の恋愛」など多数出演しています。また、英語、日本語、中国語もできる才女です。
ヤン・オックム(チャ・チョンファ)
少佐の妻。
前職はアナウンサーで、現在は美容院を経営しながら団地内の案内放送もしている。
しゃべり方がアナウンサーそのもの。演じたチャ・チョンファはこの役をどうしてもやりたくて、オーディションの時も北朝鮮の人が着るような服を着て行ったそうです。
「熱血司祭」「リーガルハイ」などに出演、現在はドラマ「哲仁皇后」でク・スンジュン役だったキム・ジョンヒョンと共演中です。
「愛の不時着」が参考としたリアルな番組
現在韓国には脱北民(北朝鮮から脱出した人々)が3万人以上暮らしています。
そんな人たちが出演するトークショー「これから会いに行きます」は、これまで知る事のできなかった北朝鮮の様子をうかがえる番組として人気を得ました。
この番組の出演者のキム・アラさんは「愛の不時着」にも社宅村の住人として出演しています。
また、ユーチューバーとして活躍中の人も結構いるんですよ。
その中には「愛の不時着」制作時に北朝鮮の生活や制度についてアドバイスした人もいました。
「愛の不時着」の舞台、平壌と地方では全く雰囲気が違う
ドラマには北朝鮮の首都、平壌(ピョンヤン)とリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)が暮らす国境地域の社宅村が出てきます。
平壌はソ・ダン(ソ・ジへ)の母が経営するデパートもあるしジョンヒョクとユン・セリ(ソン・イェジン)がパスポート写真を取りに行ったホテルなど、意外と韓国と似てるかも?と思わせるシーンがあります。
でもジョンヒョクの暮らす国境地域は平壌とは全く違いますよね。
平壌だけが特別に管理されている地域だからで、北朝鮮の普通の暮らしではないそうです。
昇降機チキミ?
平壌にあるソ・ダンの家はマンションで、エレベーターには案内する人が常に待機していました。
これは「昇降機チキミ(エレベーターを守る人)」といって、行先の階数を言えばその階のボタンを押してくれます。
ドラマを見てて、この人必要ある???って思ってしまいました。
昇降機チキミは以前は平壌にだけいたそうですが、現在はどこにもいないということでした。
停電ばかりで・・・
ドラマを見ているとしょちゅう停電しますが、これは本当によくあるそうです。
電気が来ないときのために常にランプは準備しているとのこと。
自転車発電機を持っている家もあって、停電でテレビが見れない時、交代で自転車をこいでテレビを見たり。
体力使いますね。またいつ電気がくるか分からないので、冷蔵庫はあってもたんすや本棚として使うとか。
じゃあ食品を保管するにはどうするかというと、「キムチウム」というキムチや野菜などを保管する貯蔵庫を庭に掘って、そこに保管します。
キムチウムは気温よりも温度が低いので結構保存が効くそうです。
セリと隊員たちがピクニックに行った時、豚肉を食べるために子豚を連れていきました。
冷蔵庫がないため食用に子豚を育ててたんですね。ペットかなと思ったら食用とはビックリでした。
かわいい子豚を見てしまったセリの反対で、ピクニックの食事は豚肉ではなく魚になりました。
市場でこっそり韓国製品も売ってます
ドラマに出てくる市場にはいろんなお店が出ています。
セリと奥様4人組が市場の化粧品屋さんに行くと、こっそり韓国製品も売っていました。
堂々と韓国とは言えないので、アレトンネ(下の村)と言っているのも面白いですね。
ドラマではセリの会社の製品もありました。
夜は電灯もないため市場も真っ暗ですが、北朝鮮に住んでいる人は暗闇に目が慣れているのでうっすらと見えるそうです。
まとめ
「愛の不時着」はベールに包まれていた北朝鮮に触れる機会となり、韓国でも北朝鮮への関心が高まりました。
北朝鮮の生活は日本とかなり違ってびっくりする部分も多いですが、そこに住んでいる人達は人情あふれる普通の人達でしたよね。
社宅村の奥様達が、自分たちの似顔絵が描いてあるセリズチョイスの化粧品を持って、空を見上げて涙するシーンが印象的でした。
文:totori